相続分が不十分なようだ

「全財産は他の相続人(兄弟など)に相続させる」と記載された遺言が見つかった

「あなたに分配される遺産は専門家にも確認してもらったけどこれだけ」

「あなたは生命保険を受けとっているので他の取り分はない」と他の相続人から言われた

ご家族が亡くなった後、これから遺産分割の話し合いをするという段階になって、このようなことでお困りではないでしょうか。

ここでは、遺産の取り分が不十分と思われる場合に、どのような対応をとるべきかご説明します。

 

遺産の取り分が不十分な場合にとるべき対応

遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員の話し合いによって行われます。

話し合いをする前提として、まずは現時点で判明している資料を十分に吟味する必要があります。資料が不足している場合には、調査したり相手方に開示を求めたりする必要があります。

「遺言があるらしいけど見たことはない」ではいけません。他の相続人からの「計算の結果こうなる」という発言も安易に信用してはいけません(もちろんこれまでの人間関係からして十分に信用できる関係であれば話は別です)。

どこまでが相続財産に含まれるか、遺言の内容は正当なものであるのか(または、そもそも形式的な不備はないか)、しっかりと検討する必要があります。

 

例えば、生命保険金は原則として受取人の固有財産とされており、遺産分割の対象財産には含まれません

そのため「生命保険を受けとっているので他の取り分はない」と他の相続人から言われてもそれを鵜呑みにしてはいけません。

 

また「遺言を書いた時期に被相続人は認知症で何もわからなかったはず」ということであれば、遺言を作成するために必要な判断能力(これを遺言能力といいます)の有無を調べる必要があります。遺言能力がなければ遺言の無効を主張します。

 

遺留分

遺言は有効で、相続財産の範囲も明らかというときに、相続分がないと言われた、または著しく少ない金額を提案されたという場合、「遺留分」を検討する必要があります。

最低限自分がもらえる遺産の取り分のことを「遺留分」といいます。

遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に認められる権利で、その割合は直系尊属(父母・祖父母)のみが相続人である場合は法定相続分(その人本来の相続分)の3分の1で、それ以外の場合は法定相続分の2分の1です。

この「最低限の遺産の取り分すらない状態」のことを「遺留分の侵害」といいます。

遺留分が侵害されている場合は、その回復を求めるために、侵害している相手方(要するにたくさん取得している人物)に対して遺留分侵害額の請求を行なうことができます。

 

相続財産の範囲の確認、遺言の有効性の判断、遺留分侵害があるときの対応等は複雑で難解な場合も多くあります。「相続分が不十分なようだ」と疑問に思われた場合にはまずは弁護士に相談されることをおすすめします。

下関 083-234-1436 黒崎 093-482-5536
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