【解決事例】相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に相続放棄の申述を行ったケース
相続放棄に関する事例
相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に相続放棄の申述を行ったケース
相談に至る経緯・事案の概要
2035年4月24日(日付は実際のものと変えています)、Aさんが当事務所に相談に来られました。
Aさんがおっしゃるには、Aさんのお父さんであるBさんが、2035年2月23日に亡くなったところ、最近になって、債権者からの通知(Bさんの子であるAさんはBさんの債務を弁済せよという内容)により、Bさんが生前に保証人となって莫大な債務を負っていたことが判明したということでした。
ここでいうBさん(法律では「被相続人」と言います)のように、被相続人が多額の債務を負っている場合、相続放棄をしてしまえば相続人がその債務を承継することはありません。しかし、相続放棄ができるのは、原則として、相続人が相続の開始を知ったときから3ヶ月ですから、Aさんの場合、相続放棄をできるのはあと1ヶ月程度(2035年5月24日が期限)でした。
手続の流れ
そこで、当事務所の弁護士は、急いで相続放棄に必要な書類を作成しつつ、同時に、必要な資料の収集を開始しました。
ここでいう「相続放棄に必要な書類」は、家庭裁判所に提出する書面のことで、相続放棄申述書などと呼ばれます。一方、「必要な資料」というのは、被相続人の除籍謄本、被相続人の住民票の除籍、申述者の戸籍謄本などです。相続関係によってはこれら必要となる戸籍等の量は膨大なものとなります。これを相続人が一人で集めるのはとても大変なので、その作業を弁護士が法律の知識と職務権限を使って集めます。この事案では、必要となる資料の量がそれほど多くなかったので、2035年5月11日には必要な資料を取得して家庭裁判所に相続放棄の申述をすることができました。
相続放棄の申述をした後は、裁判所が提出された資料等を確認した後、裁判所から相続人(弁護士が付いている場合は弁護士)に、本当に相続を放棄してもよいかということを確認する書類(照会書)が送られます。本件では、当事務所がAさんの代理人となっていたので、裁判所から当事務所に照会書が送られてきました。これが、2035年5月13日のことです。
Aさんには、その照会書に必要な事項を書いていただいて、裁判所に提出しました。その後、2035年6月3日、裁判所から当事務所に相続放棄の申述が受理された旨の通知が届きました。
あれ?3ヶ月過ぎているのでは?と思われた方もいるかもしれませんが、前述した3ヶ月という期間は、相続放棄の申述を裁判所に対してしなければならない期間ですので、相続放棄の申述さえしてしまえば、それが受理されるのは3ヶ月を経過した後でもよいのです。
結果
以上、この事案では、Aさんは、当事務所にご相談いただいてから、およそ1ヶ月弱で莫大な債務を負う危険を回避することができました。
事案によってかかる時間は異なりますが、概ね、3ヶ月の期間を経過していない事案は1~2ヶ月程度で解決することができます。
では、3ヶ月の期間を経過している場合はというと・・・それは「3ヶ月の期間を経過したケース」をご覧ください。
当該事件にかかった時間及び弁護士費用 |
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H23年11月23日 Aさんの父が亡くなる H24年 1月24日 相談にこられる (H24年 2月24日が相続放棄の期限) H24年 2月10日 家庭裁判所へ H25年 2月13日 裁判所より照会書が届く H25年 2月25日頃 相続放棄受理 合計 1ヶ月 |
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