相続方法の種類
Q 相続の方法にはどんな種類があるの?
A 相続の方法には、①単純承認、②限定承認、③相続放棄があります。
①単純承認
被相続人の相続財産(借金など負の財産も含む)の全てを承継すること(民法920条)。相続開始後に、相続財産を処分してしまった相続の開始を知ってから3ヶ月以内に相続放棄も限定承認もしなかった相続放棄又は限定承認後、相続財産を隠匿・消費などした以上の場合には、必然的に単純承認をしたものとみなされます。(「法定単純承認」と言います)
②限定承認
被相続人のプラスの財産の範囲でマイナスの財産も承継するという制度。相続人全員で申し立てが必要(民法922条以下)。たとえば、被相続人に借金が100万円(マイナスの財産)、預金が60万円(プラスの財産)あった場合、60万円だけ承継して借金の弁済に当て、残りの借金40万円は承継しないということです。
マイナスの財産とプラスの財産がどのくらいあるのか分からないが、プラスの財産があるのであればそれは承継したいという場合に有効活用できる制度です。
③相続放棄
被相続人の相続財産の全てを承継しないこと(民法938条以下)。
Q 相続開始から3ヶ月を過ぎてから被相続人に莫大な借金があることが分かりました。どうしたらいいの?
A 相続放棄ができなくなる(単純承認になる)のは、あくまで「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内なので(民法915条1項本文)、裁判所に対して、実際に自分が相続人になることになった原因たる事実を知った日を疎明することによって、相続放棄をすることは可能です。
また、3ヶ月の期間は、裁判所に請求することで伸ばしてもらうことができる場合もあります(同条同項但書)。
- ある相続人が、被相続人から生前に多額の財産を受けている
- それぞれの相続分
- プラスの財産は相続したいがマイナスの財産はいらない
- 時間が経ってから借金があることがわかった・・
- 特定の相続人に「遺産をすべて相続させる」と遺言を残していた
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