【解決事例】相続人が経営していた会社の債権者による請求をきっかけに、時効の援用も可能だが、その後の不安を払拭するために被相続人が放棄を選んだケース
相続放棄に関する事例
相続人が経営していた会社の債権者による請求をきっかけに、時効の援用も可能だが、その後の不安を払拭するために被相続人が放棄を選んだケース
(ケースの概要)
相談に至る経緯・事案の概要
相談者(「A」と言います)の父は,建設業を経営していました。平成16年頃,その父が死亡したのですが、Aさんは,父親には,プラスの財産もマイナスの財産も存在しないと考えていたため,相続放棄の手続を取りませんでした。
そうしたところ,父親の死後,約9年が経過した平成25年頃,突然,父親の経営していた会社の取引先から父親宛に内容証明郵便が届きました。その内容は,160万の未払代金があるため,20日以内に160万円を支払え,支払わなければ法的手続を取るというものでした。
そこで,不安になったAさんは,当事務所に来所されました。
なお、手続とは直接関係ないのですが、本件で問題になっている債務は,商事債権といえそうでした。商事債権だと5年の消滅時効にかかるので,父親の死後,約9年にわたって,何らの請求もなかったことから,時効により消滅している可能性がありました(時効の援用という方法があった)。
しかし,Aさんは,本件で問題になっている債務以外の債務が今後出てくるかもしれず,そのような不安に脅えながら日々の生活を送るのは嫌だというので,相続放棄の手続を取ることにしました。
具体的手続
本件では被相続人である父親の死後,約9年が経過していたため,平成25年5月末頃、「債務の存在を初めて知った経緯について」という書面を相続放棄申述書に添付して家庭裁判所に提出しました。
「債務の存在を初めて知った経緯について」という書面を作るため、Aさんから上記アの経緯を聴き取り、また、裁判所からの照会に対して、Aさんとのミーティングを行い事細かい回答を行いました。
そうしたところ、同年6月中旬頃には相続放棄が受理されました。
結果
以上、Aさんが,平成25年5月初旬頃に相談に来られてから、同年6月中頃に相続放棄の申述が受理されましたので、Aさんが相談に来られてから約1ヶ月半で解決することができたことになります。
当該事件にかかった時間及び弁護士費用 |
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H24年5月初旬 相談 H24年5月下旬 相続放棄申述書提出 H25年6月中旬 受理 合計 1.5ヶ月 |
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